ホテルマネージメントインターナショナル(HMI)と IHG ホテルズ&リゾーツが、2026 年上半期中に HMI 運営の「ホテルクラウンパレス」3 施設(高知・知立・浜松、合計 539 室規模)を IHG の「ANA クラウンプラザ」ブランドへ転換すると発表している。HMI が所有・運営を担い、IHG はマスターフランチャイズ契約で看板とロイヤルティ会員制度を提供する所有運営分離モデルが軸となる。本稿では転換対象 3 施設と、すでに同モデルで稼働する米子・松山の 2 施設を含め、客室数・改装規模・運営構造の 3 点で再編構図を読む。

# 施設 所在 Score 客室 目安価格 ブランド転換状況
1 ホテルクラウンパレス小倉 福岡県北九州市 94 90 ¥10–¥22k 2026 年上半期転換予定
2 ANA クラウンプラザホテル米子 鳥取県米子市 93 134 ¥12–¥28k 既に ANA クラウンプラザとして稼働
3 ANA クラウンプラザホテル松山 愛媛県松山市 85 330 ¥11–¥30k 既に ANA クラウンプラザとして稼働
4 ホテルクラウンパレス北九州 福岡県北九州市八幡西区 86 220 ¥8–¥16k 参考比較(HMI 運営継続)
5 ホテルクラウンパレス浜松 静岡県浜松市 84 192 ¥9–¥24k 2026 年 7 月 1 日転換予定

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1 泊 2 名 1 室・通常期の税込目安です。

1. 所有運営分離モデルとは何か

今回の転換は、HMI が施設を所有・運営したまま、IHG のブランド・予約システム・IHG One Rewards 会員制度のみを導入する形式で進む。施設の運営権譲渡や M&A ではなく、フランチャイズ契約による看板替えが軸である。HMI 側は会員データベースと国際的な販路を取り込め、IHG 側は施設投資なしで国内拠点を増やせる構図となる。

同種のモデルは ANA クラウンプラザホテル米子(2018 年転換)、ANA クラウンプラザホテル松山(既存)でも採用されており、今回の 3 施設追加で国内 ANA クラウンプラザは 19 施設体制となる見込み。地方政令市・中核市の 100〜250 室クラスを取り込む点が共通する。

2. 転換対象 3 施設と参考比較 2 施設の構造

1. ホテルクラウンパレス小倉 — 福岡県北九州市小倉北区

小倉駅前 90 室、HMI 運営。2026 年上半期に ANA クラウンプラザ転換予定の中核施設。

Media Picks Score: 94 / 100  90 室、ビジネスホテル。

目安価格 ¥10,000–¥22,000 / 泊 (2 名 1 室・通常期)


ホテルクラウンパレス小倉 — 福岡県北九州市・小倉駅徒歩圏 · HMI 運営の 90 室ビジネスホテル、2026 年上半期に ANA クラウンプラザ転換予定
PHOTO: ホテルクラウンパレス小倉 — 公式サイトを見る →

転換のポイント

JR 小倉駅から徒歩圏、北九州市の中核業務地区に立地する 90 室ビジネスホテル。客室規模は今回転換対象 3 施設中で最小だが、立地と稼働実績で選定されたとみられる。改装規模は客室内装の標準化(IHG ブランド基準の寝具・備品交換)が中心となる見込み。建物本体の大規模改修は予定されていない。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計した結果、駅前立地と朝食、清掃水準への評価が高い。3,300 件超のレビューで総合 4.3 点台と転換対象 3 施設で最高。HMI 運営下での運営品質は維持されており、IHG ブランド転換後もハードウェアの大幅変更を伴わずに会員制度・予約導線を切り替える形となる。

向く人 / 向かない人

  • 向く: 小倉エリアの出張、IHG One Rewards 会員、転換後のポイント積算を見据えた長期出張者
  • 向かない: 大型バンケット・宴会場を必要とする団体利用、リゾート用途

具体情報

  • 最寄り駅: JR 小倉駅から徒歩圏
  • 客室数: 90 室
  • 運営: ホテルマネージメントインターナショナル(HMI)
  • ブランド転換予定: 2026 年上半期(ANA クラウンプラザブランドへ)
  • 所在地: 福岡県北九州市小倉北区


2. ANA クラウンプラザホテル米子 — 鳥取県米子市

134 室、米子駅前。2018 年に同形態モデルで転換済み。今回の 3 施設転換のテンプレート。

Media Picks Score: 93 / 100  134 室、シティホテル。

目安価格 ¥12,000–¥28,000 / 泊 (2 名 1 室・通常期)


ANA クラウンプラザホテル米子 — 鳥取県米子市・米子駅前 · 134 室、所有運営分離モデルで先行転換した参考施設
PHOTO: ANA クラウンプラザホテル米子 — 公式サイトを見る →

転換のポイント

米子駅前、134 室のシティホテルで山陰の主要拠点。HMI が運営、IHG がブランドを提供する所有運営分離モデルの先行例である。レストラン・宴会場を備える複合フォーマットを維持したまま転換した点が、今回の 3 施設追加の参考事例となる。客室は標準的なシティホテル仕様で、朝食ビュッフェには地元食材を取り入れた構成が定着している。

集約レビューの傾向

公開レビューデータの集計では、駅前アクセスとロビー・客室の清潔感、朝食内容への支持が中心。5,000 件超のレビューで総合 4.2 点台。IHG ブランド導入後にハードウェアの維持と運営標準の両立が機能している実例として、転換予定の 3 施設に対する参照点となる。

向く人 / 向かない人

  • 向く: 山陰エリア出張、IHG One Rewards 会員、ANA SKY コインを宿泊に充当したい人
  • 向かない: リゾート滞在、温泉専有を求める用途

具体情報

  • 最寄り駅: JR 米子駅から徒歩圏
  • 客室数: 134 室
  • 運営: ホテルマネージメントインターナショナル(HMI)
  • ブランド: ANA クラウンプラザ(IHG マスターフランチャイズ)
  • 所在地: 鳥取県米子市


3. ANA クラウンプラザホテル松山 — 愛媛県松山市

330 室、松山中心部。今回ラインナップ最大規模の所有運営分離モデル稼働例。

Media Picks Score: 85 / 100  330 室、シティホテル。

目安価格 ¥11,000–¥30,000 / 泊 (2 名 1 室・通常期)


ANA クラウンプラザホテル松山 — 愛媛県松山市中心部 · 330 室、本館・別館構成のシティホテル
PHOTO: ANA クラウンプラザホテル松山 — 公式サイトを見る →

転換のポイント

松山城下の中心部、本館・別館構成で 330 室を擁する四国最大級のシティホテル。所有運営分離モデルで稼働中の ANA クラウンプラザブランド施設としては、今回の参照群で最大規模である。本館・別館でグレード差を設けるフォーマットを維持しており、規模が大きい施設での IHG ブランド適用例として、今後の地方大型施設の取り込みに対する基準値となる。

集約レビューの傾向

公開レビューの集計では、立地と松山城眺望、本館上層階の客室広さへの評価が高い一方、本館・別館でハード仕様に差があるため、評価の分散も大きい。13,000 件超のレビュー総数は今回の 5 施設で最多。築年と部屋タイプ別の体験差をどう吸収するかが、規模の大きい既存施設の転換に共通する課題となる。

向く人 / 向かない人

  • 向く: 松山中心部の出張、団体・宴会利用、IHG One Rewards 会員
  • 向かない: 設備の均一性を重視する人(本館・別館でグレード差あり)

具体情報

  • 最寄り駅: 伊予鉄道大街道電停から徒歩圏
  • 客室数: 330 室(本館・別館構成)
  • 運営: ホテルマネージメントインターナショナル(HMI)
  • ブランド: ANA クラウンプラザ(IHG マスターフランチャイズ)
  • 所在地: 愛媛県松山市


4. ホテルクラウンパレス北九州 — 福岡県北九州市八幡西区

220 室、黒崎駅近郊。HMI 運営継続施設として、今回の転換対象外群の参照点となる。

Media Picks Score: 86 / 100  220 室、ホテル。

目安価格 ¥8,000–¥16,000 / 泊 (2 名 1 室・通常期)


ホテルクラウンパレス北九州 — 福岡県北九州市八幡西区・黒崎駅近郊 · HMI 運営継続の 220 室、平面駐車場 24 時間無料
PHOTO: ホテルクラウンパレス北九州 — 公式サイトを見る →

立ち位置の比較

同じ HMI ブランドの「ホテルクラウンパレス」を冠する 220 室規模の施設だが、今回の ANA クラウンプラザへの転換対象には含まれない。八幡西区・黒崎エリアという需要構造が大都市部のビジネス・コンベンション需要と異なるため、IHG 国際ブランドの対象から外れたとみられる。HMI ブランドを維持しつつ、平面駐車場 24 時間無料・無料 Wi-Fi など実用本位のフォーマットを継続する。

集約レビューの傾向

公開レビュー集計では、駐車場無料と 12 時アウト、朝食バイキングの実用性が支持の中心。4,500 件超のレビュー、総合 3.7 点台。今回の ANA クラウンプラザ転換 3 施設と比較すると、駅前ビジネス需要よりロードサイド型の利便性に寄った客層を持つ。

向く人 / 向かない人

  • 向く: 車利用の出張、黒崎・八幡西区エリア滞在、長時間滞在(12 時アウト)
  • 向かない: 駅直結志向、国際ブランド会員制度を活用したい用途

具体情報

  • 最寄り駅: JR 黒崎駅・黒崎 IC から車 5 分
  • 客室数: 220 室
  • チェックイン: 14:00〜 / アウト 〜12:00
  • 運営: ホテルマネージメントインターナショナル(HMI、継続)
  • 駐車場: 平面駐車場 24 時間無料
  • 所在地: 福岡県北九州市八幡西区東曲里町 3-1


5. ホテルクラウンパレス浜松 — 静岡県浜松市

192 室、浜松駅徒歩圏。2026 年 7 月 1 日に ANA クラウンプラザブランドへ転換予定。

Media Picks Score: 84 / 100  192 室、シティホテル。

目安価格 ¥9,000–¥24,000 / 泊 (2 名 1 室・通常期)


ホテルクラウンパレス浜松 — 静岡県浜松市・浜松駅から徒歩圏 · 192 室、2026 年 7 月 1 日 ANA クラウンプラザブランド転換予定
PHOTO: ホテルクラウンパレス浜松 — 公式サイトを見る →

転換のポイント

東海道新幹線浜松駅から徒歩圏、192 室。2026 年 7 月 1 日付で「ANA クラウンプラザホテル浜松」へリブランドオープン予定が公式発表されている。今回の HMI × IHG マスターフランチャイズ転換ラインナップに連なる施設で、東海エリアでの ANA クラウンプラザ展開の足がかりとなる。客室・レストランの仕様改装は段階的に進む見込み。

集約レビューの傾向

公開レビュー集計では、駅近立地と朝食、ロビー・大浴場機能への評価が高い。6,900 件近いレビュー、総合 3.6 点台。新幹線駅近・中規模シティホテル形態として安定した稼働を維持しており、IHG ブランド移行時には会員制度・予約導線の標準化が最大の論点となる。

向く人 / 向かない人

  • 向く: 東海道新幹線利用の出張、東海エリアの IHG One Rewards 会員、転換後の宿泊実績を蓄積したい人
  • 向かない: 7 月 1 日転換直前期に予約変更リスクを避けたい用途、リゾート滞在

具体情報

  • 最寄り駅: JR 浜松駅から徒歩圏
  • 客室数: 192 室
  • 運営: ホテルマネージメントインターナショナル(HMI)
  • ブランド転換予定: 2026 年 7 月 1 日付(ANA クラウンプラザホテル浜松へ)
  • 所在地: 静岡県浜松市中区


3. 業界構造から読む再編構図

今回の HMI × IHG 提携による 3 施設追加は、外資中位ブランドが地方都市の既存中規模ホテルを取り込む構図の典型である。施設の所有・運営権そのものは国内事業者が保持し、ブランド・予約システム・ロイヤルティ会員のみを外資が提供する所有運営分離(マスターフランチャイズ)モデルは、低投資で国際ブランド網を拡大する手法として、地方政令市・中核市のミドル価格帯(¥10,000〜¥25,000 / 泊)の取り込みに有効に機能している。

競合ブランドの構図も同様で、ヒルトンの「DoubleTree」、マリオットの「Fairfield」、アコーの「Mercure」「Novotel」が地方都市での施設取り込みを加速している。地方シティホテルの新規開発が困難な中、既存施設のブランド転換は今後さらに増える見込みである。

よくある質問

Q. 転換後も予約は変わらず使えますか。

A. 一般論として、所有運営分離モデルでのブランド転換時には予約システムが順次切り替わる。すでに入っている予約は転換日以降も維持されるのが通例だが、各施設の公式サイトと予約確認メールで詳細を確認するのが確実である。

Q. IHG One Rewards のポイント積算は転換日からですか。

A. 転換日(小倉・米子・松山は 2026 年上半期、浜松は 2026 年 7 月 1 日付)以降の宿泊から IHG One Rewards のポイント積算とエリート資格カウントの対象となる見込み。詳細は IHG 公式サイトの該当施設情報を参照のこと。

Q. 法人契約はどうなりますか。

A. 運営会社は HMI が継続するため、HMI 経由の法人契約は基本的に維持される見込み。一方、IHG Business Edge など IHG の法人プログラム経由でも転換後は予約・契約が可能となる構造が想定される。

Q. 価格帯の変化は予想されますか。

A. 一般的にブランド転換後は会員制度・朝食仕様の標準化に伴い、表示価格レンジがやや上方シフトする傾向がある。先行転換の米子・松山の事例では、ベース価格は転換後も同等水準で推移している。

本記事の参考情報

IHG ホテルズ&リゾーツ公式 — グループブランド体系と国内施設一覧
ホテルマネージメントインターナショナル株式会社 — 運営施設一覧・コーポレート情報

編集部から

今回の HMI × IHG 提携による 3 施設転換は、地方政令市・中核市の中規模シティホテルが「所有運営分離 + 外資ブランド導入」へ進む流れの典型である。新規開業ではなく既存施設のブランド転換であるため、客室数・室面積・基本設備は据え置きで、会員制度・予約導線・朝食仕様の標準化が転換価値の中心となる。次回は同じ HMI グループの他施設や、国内既存中規模ホテルが外資ブランドへ転換する事例を継続して追う。

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