2025-2026年、国内の既存ホテルを外資ブランドへ転換するリブランドが相次いだ。本稿は、不動産は国内オーナーが保有し運営は外資ブランドが担う「所有・運営分離」モデルの実例を、客室数・旧名称・運営体制とともに5件まとめる。中心となるのは、マリオット・インターナショナルとHMIホテルグループが2024年4月に締結した7軒・約2,200室の戦略的パートナーシップで、これは同社が日本で結んだ単一契約として最大規模となる。ヒルトン、IHGも既存施設の転換を進めており、業界再編の方向は明確だ。法人契約担当者と業界関係者に向けた動向整理として読んでほしい。

# ホテル エリア Score 客室 目安価格 1行特徴
1 コートヤード・バイ・マリオット小倉 北九州市 92 90 ¥14–¥19k 旧クラウンパレス小倉、駅近90室をコートヤードへ転換
2 ヒルトン・ガーデン・イン横浜みなとみらい 横浜市 90 228 ¥25–¥39k 二度の改称を経てヒルトンへ、関東初のガーデン・イン
3 京都マリオットホテル 京都市 88 215 ¥17–¥31k 旧平安の森京都、マリオット直営ブランドへ転換
4 コートヤード・バイ・マリオット神戸 神戸市 87 381 ¥13–¥18k 7軒計画で最大381室、ポートアイランド立地
5 コートヤード・バイ・マリオット北九州 北九州市 86 220 ¥11–¥14k 北九州2軒目、価格帯は計画内で最も手頃

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。Media Picks Score は公開レビューデータを集計し、立地・規模・テーマ適合度を加味した編集部の合成指標です。

1. コートヤード・バイ・マリオット小倉 — 北九州市

客室90、JR小倉駅徒歩圏。旧ホテルクラウンパレス小倉をコートヤードへ転換した、所有・運営分離モデルの実例。

Media Picks Score: 92 / 100  90室、旧名称「ホテルクラウンパレス小倉」。運営体制: HMIホテルグループ(保有・運営)。ブランド: コートヤード・バイ・マリオット(マリオット・インターナショナル)。

目安価格 ¥14,000–¥19,000 / 泊 (2名1室・通常期)


コートヤード・バイ・マリオット小倉 — 北九州市小倉北区 · 旧ホテルクラウンパレス小倉をマリオット系へ転換した90室のビジネスホテル
PHOTO: コートヤード・バイ・マリオット小倉 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

選定の軸は、運営の世界基準と国内オーナーの資本が両立する点にある。施設はHMIホテルグループが保有・運営を続け、看板とサービス設計をマリオットの「コートヤード」基準に合わせた。2.1億人を超えるマリオットボンヴォイ会員の予約導線を取り込みつつ、地場の宴会・法人需要を維持する構図で、再編の典型を90室規模で示す。出張利用では会員ポイントの集約が効く点が大きい。

集約レビューの傾向

集約された評価では、駅からの近さと館内動線の分かりやすさが安定して支持される。一方で建物自体は転換前からの既存施設であり、最新開業のホテルと比べると設備の世代差を指摘する声も見られる。料飲は宴会・レストランの実績が長く、法人利用の評価が下支えする傾向が読み取れる。価格に対する満足は中位より上に位置する。

向く人 / 向かない人

  • 向く: 出張でマリオット会員ポイントを貯める人、小倉駅周辺で動く法人客、宴会・会議とセットで宿泊を組む利用
  • 向かない: 最新設備の新規開業ホテルを求める人、リゾート的な滞在を望む旅、広い客室を最優先する長期滞在

具体情報

  • 最寄り駅: JR小倉駅から徒歩圏(タクシー約5分)
  • 客室数: 90室(旧ホテルクラウンパレス小倉から転換)
  • 運営形態: HMIホテルグループが保有・運営、ブランドはマリオット系コートヤード
  • 転換時期: 2025年秋(マリオット×HMI 7軒リブランド計画の一環)
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00


2. ヒルトン・ガーデン・イン横浜みなとみらい — 横浜市

客室228、2026年4月7日開業。既存ホテルを二度の改称を経てヒルトンへ転換した、不動産オーナーと運営ブランドの分離事例。

Media Picks Score: 90 / 100  228室、旧名称「ホテルビスタプレミオ横浜→ザ・スクエアホテル横浜みなとみらい」。運営体制: 三菱HCキャピタルリアルティ(不動産オーナー)/ヒルトン(運営ブランド)。ブランド: ヒルトン・ガーデン・イン(ヒルトン)。

目安価格 ¥25,000–¥39,000 / 泊 (2名1室・通常期)


ヒルトン・ガーデン・イン横浜みなとみらい — 横浜市西区 · 既存ホテルを2026年4月にヒルトンへ転換した228室のホテル
PHOTO: ヒルトン・ガーデン・イン横浜みなとみらい — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

選定理由は、所有・運営分離の流れが最も明瞭に追える点にある。同施設は2021年に「ホテルビスタプレミオ横浜」、2025年に「ザ・スクエアホテル横浜みなとみらい」を経て、2026年4月7日にヒルトン・ガーデン・インへ転換した。不動産は三菱HCキャピタルリアルティが保有し、運営はヒルトンが担う。関東初のヒルトン・ガーデン・インであり、みなとみらい駅徒歩7分という立地が出張・MICE双方の需要に合う。

集約レビューの傾向

開業直後のため集約評価はまだ蓄積途上だが、立地の利便性と港を望むオールデイダイニングへの関心が先行して高い。ヒルトン・オナーズ会員制度に接続したことで、予約導線と価格の透明性が向上した点が業界関係者の注目を集める。既存施設の改装ベースのため、構造面の新しさより運営品質の標準化に評価が向かう傾向が見込まれる。

向く人 / 向かない人

  • 向く: みなとみらいでMICE・展示会に絡む出張、ヒルトン会員、横浜駅・関内へ短時間で移動したい利用
  • 向かない: 価格重視で1万円台の宿泊を求める出張、レジャー目的で広い客室を望む滞在、駅直結を絶対条件とする旅程

具体情報

  • 最寄り駅: みなとみらい線 新高島・みなとみらい駅から徒歩約7分、横浜駅から徒歩約15分
  • 客室数: 228室
  • 旧名称: ホテルビスタプレミオ横浜(2021-)→ザ・スクエアホテル横浜みなとみらい(2025-)
  • オーナー / 運営: 三菱HCキャピタルリアルティ(不動産)/ヒルトン(運営)
  • 開業: 2026年4月7日(関東初のヒルトン・ガーデン・イン)
  • 料飲: 港を望むオールデイダイニング(朝食ビュッフェ・バー併設)


3. 京都マリオットホテル — 京都市

客室215、平安神宮・東山へ徒歩圏。旧ホテル平安の森京都をマリオット直営ブランドへ転換する、HMI×マリオット計画の中核。

Media Picks Score: 88 / 100  215室、旧名称「ホテル平安の森京都」。運営体制: HMIホテルグループ(保有・運営)。ブランド: マリオットホテル(マリオット・インターナショナル)。

目安価格 ¥17,000–¥31,000 / 泊 (2名1室・通常期)


京都マリオットホテル — 京都市左京区 · 旧ホテル平安の森京都をマリオット直営ブランドへ転換した215室のホテル
PHOTO: 京都マリオットホテル — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

選定の軸は、コートヤードより上位の「マリオット」直営ブランドへの転換である点だ。緑深い左京区岡崎に位置し、平安神宮・南禅寺・哲学の道が徒歩圏に入る立地は、訪日個人客の京都需要と強く噛み合う。既存施設の大浴場など和の資産を残しつつ、マリオットの上位ブランド基準へ引き上げる改装が進む。インバウンド回復を背景に、外資ブランドの集客力を最大化する狙いが明確だ。

集約レビューの傾向

集約評価では、観光地への徒歩アクセスと静かな立地が一貫して支持される。竹林を望む大浴場など既存施設由来の設備が個性として評価される一方、改装工事の進行に伴う一部設備の利用制限が過渡期の課題として現れる。転換後はマリオット基準のサービス標準化が進むため、評価の重心が立地中心からサービス品質へ移ることが見込まれる。

向く人 / 向かない人

  • 向く: 京都観光と出張を兼ねる訪日・国内客、マリオット上位ブランドの会員、平安神宮・東山を徒歩で回る旅程
  • 向かない: 京都駅直結の利便を最優先する出張、最安値帯を求める宿泊、改装過渡期の設備制限を避けたい利用

具体情報

  • 最寄り: 平安神宮・南禅寺・哲学の道が徒歩圏、地下鉄東西線 東山駅圏
  • 客室数: 215室(旧ホテル平安の森京都から転換)
  • ブランド: マリオット直営「マリオットホテル」(コートヤードより上位帯)
  • 運営形態: HMIホテルグループが保有・運営
  • 転換時期: 2025年秋(マリオット×HMI 7軒計画の中核1軒)


4. コートヤード・バイ・マリオット神戸 — 神戸市

客室381、ポートライナー中埠頭駅徒歩3分。HMIリブランド計画で最大規模の客室数を持つコートヤード転換事例。

Media Picks Score: 87 / 100  381室、旧名称「ホテルパールシティ神戸」。運営体制: HMIホテルグループ(保有・運営)。ブランド: コートヤード・バイ・マリオット(マリオット・インターナショナル)。

目安価格 ¥13,000–¥18,000 / 泊 (2名1室・通常期)


コートヤード・バイ・マリオット神戸 — 神戸市中央区ポートアイランド · 旧ホテルパールシティ神戸を転換した381室のホテル
PHOTO: コートヤード・バイ・マリオット神戸 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

選定理由は、7軒計画の中で最大の客室数(381室)を擁し、規模の経済が働く点にある。ポートアイランドという神戸の業務・展示地区に立地し、三宮・新神戸への無料シャトルを備える。大型施設ゆえ団体・法人需要の受け皿が大きく、外資会員基盤との接続効果が室数に比例して大きい。既存の宴会・長期滞在対応設備を活かしつつコートヤード基準へ移行する。

集約レビューの傾向

集約評価では、無料シャトルを含むアクセス手段の充実と、大型館ならではの宴会・会議対応が安定して支持される。一方で築年数のある建物のため、客室の世代感に関する指摘も一定数見られる。Wi-Fiなど長期滞在向け設備の評価は中位以上で、価格に対する満足度は標準的な水準に収まる傾向が読み取れる。

向く人 / 向かない人

  • 向く: ポートアイランドで展示会・業務に絡む出張、団体・法人の大口利用、三宮へシャトルで移動したい滞在
  • 向かない: 三宮中心部の徒歩圏に泊まりたい旅程、最新設備の客室を求める利用、小規模で静かな宿を望む旅

具体情報

  • 最寄り駅: ポートライナー 中埠頭駅から徒歩3分、三宮・新神戸から無料シャトル運行
  • 客室数: 381室(7軒計画で最大規模、旧ホテルパールシティ神戸から転換)
  • 運営形態: HMIホテルグループが保有・運営、ブランドはコートヤード
  • 設備: Wi-Fi完備、宴会場・レストラン併設(長期滞在にも対応)
  • 転換時期: 2025年秋


5. コートヤード・バイ・マリオット北九州 — 北九州市

客室220、JR黒崎駅圏。北九州市内で小倉に続く2軒目のコートヤード転換、価格帯は計画中で最も手頃。

Media Picks Score: 86 / 100  220室、旧名称「ホテルクラウンパレス北九州」。運営体制: HMIホテルグループ(保有・運営)。ブランド: コートヤード・バイ・マリオット(マリオット・インターナショナル)。

目安価格 ¥11,000–¥14,000 / 泊 (2名1室・通常期)


コートヤード・バイ・マリオット北九州 — 北九州市八幡西区黒崎 · 旧ホテルクラウンパレス北九州を転換した220室のホテル
PHOTO: コートヤード・バイ・マリオット北九州 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

選定の軸は、同一都市・北九州で小倉に続く2軒目の転換であり、外資ブランドが都市内に面で広がる動きを示す点だ。八幡西区黒崎は工業・商業の集積地で、地場の出張需要が厚い。目安価格は7軒計画の中でも手頃な帯に収まり、外資ブランドの会員価値を低価格帯で享受できる構図が成立している。既存施設の宴会機能を残した転換である。

集約レビューの傾向

集約評価では、黒崎エリアでの利便性と価格の手頃さが支持の中心となる。大型館の宴会・会議対応も法人利用で評価される。一方、転換前からの建物ゆえ設備の新しさより運営面の安定が評価軸となる傾向が読み取れる。コートヤード基準への移行で、サービスの均質化が進む点が今後の評価を左右する。

向く人 / 向かない人

  • 向く: 黒崎・八幡エリアの出張、価格を抑えつつ外資会員ポイントを貯めたい利用、宴会・会議とセットの宿泊
  • 向かない: 小倉・博多中心部に泊まりたい旅程、リゾート滞在を望む旅、最新設備の客室を最優先する利用

具体情報

  • 最寄り駅: JR黒崎駅圏(八幡西区)
  • 客室数: 220室(旧ホテルクラウンパレス北九州から転換)
  • 運営形態: HMIホテルグループが保有・運営、ブランドはコートヤード
  • 価格帯: 7軒計画で最も手頃な帯(目安1万円台前半)
  • 転換時期: 2025年秋(北九州市内で小倉に続く2軒目)


よくある質問

Q. 所有・運営分離モデルとは何ですか?

A. 不動産(建物・土地)は国内のオーナー企業が保有し、ホテルのブランドと運営は外資チェーンが担う仕組みです。本稿のHMI×マリオット7軒では、HMIホテルグループが施設を保有・運営し、看板とサービス基準をマリオット系に合わせます。オーナーは外資の会員組織と予約基盤を、外資は新規投資なしで施設網を得る関係です。

Q. リブランドで法人契約はどう変わりますか?

A. 外資ブランドへ転換すると、マリオットボンヴォイ(会員2.1億人超)やヒルトン・オナーズなど世界共通の会員・法人プログラムに接続します。出張のポイント集約やグローバルの統一料金体系が使えるようになる一方、転換時期に料金表や契約窓口が切り替わるため、更新時期の確認が必要です。

Q. 価格帯はどのくらいですか?

A. 本稿5軒の目安は1泊2名で約¥13,000〜¥39,000(通常期)です。コートヤード系の地方都市は1万円台前半から、ヒルトン・ガーデン・イン横浜は立地を反映し3万円前後が中心です。いずれも公開販売価格の集計に基づく参考値で、ハイシーズンは上振れする傾向があります。

Q. 転換後も既存の設備は使えますか?

A. 多くは既存施設の改装ベースのため、宴会場・大浴場・長期滞在向け設備などが引き継がれます。ただし京都の事例のように改装過渡期に一部設備が利用制限となる場合があります。利用前に各公式サイトで稼働状況を確認してください。

Q. 今後も外資ブランドへの転換は増えますか?

A. HMIは7軒に続き追加のリブランドを計画し、ヒルトン・IHGも既存施設の転換を進めています。巨大な会員組織への接続と新築を上回る投資効率が背景にあり、当面は日系・外資の陣取りが地方都市にも広がる見通しです。

本記事の参考情報

マリオット・インターナショナル × HMIホテルグループ 戦略的パートナーシップ(公式リリース) — 7軒リブランド計画の一次情報
ヒルトン プレスリリース — ヒルトン・ガーデン・イン横浜みなとみらいの開業発表
Wikipedia: マリオット・インターナショナル — ブランド体系・日本進出の背景

編集部から

5軒に共通するのは、既存施設を取り壊さず改装と看板替えで外資の会員基盤に接続する手法だ。新築開業に比べ投資額と工期を抑えつつ、2億人規模の会員需要を取り込める—この投資効率が、所有・運営分離モデルを地方都市にまで広げている。注目は、マリオット×HMIの7軒が小倉・北九州のように同一都市へ面で展開し始めた点である。日系ブランドはこれにどう応じるのか。次の四半期、どの既存ホテルが次の看板を掲げるか—業界の陣取りは折り返し地点を過ぎたばかりだ。

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