東急ホテルズ&リゾーツは2026年7月6日、川崎市川崎区殿町の客室186室のホテルを「The HOTEL Well-hub Haneda」へリブランド開業しました。旧名称は「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」で、2018年の開業から8年目の看板替えとなります。運営会社は東急ホテルズ&リゾーツのまま変わりません。変わったのは客層の設定です。羽田空港から車で約10〜20分という立地を、国内出張者の前泊後泊拠点から、訪日トラベラーが日本各地の自然・文化へ出発する滞在拠点へ置き直しました。同社は本ホテルを、独自の個性を持つホテルで構成するブランド群「DISTINCTIVE SELECTION」に新たにラインナップしています。


The HOTEL Well-hub Haneda — 川崎市川崎区殿町 · 倉庫をモチーフにした建築空間の1階「RIVER CAFE」
PHOTO: The HOTEL Well-hub Haneda — 公式サイトを見る →

Media Picks Score: 93 / 100  186室、シティホテル(旧・宿泊主体型)。

目安価格 ¥22,000–¥32,000 / 泊 (2名1室・通常期)

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。

リブランドで変わったもの、変わらなかったもの

2026年7月6日のリブランド開業は、東急株式会社と東急ホテルズ&リゾーツの連名で発表されました。所在地は神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-11、客室数186室、施設構成はレストラン・ラウンジ・アクティビティカウンター・大浴場およびサウナ・ランニングステーション・会議室ほか。いずれも従前の建物をそのまま使います。運営会社の変更はなく、投資額は公表されていません。

変わったのは3点です。第一に、ターゲットを「日本文化や自然を身体を通じて理解したい、世界から訪れる新富裕層のトラベラー」と明示的に置き直したこと。第二に、宿泊料金に朝食と館内アクティビティを含めるインクルーシブ型の料金設計へ移したこと。第三に、東急ブランドホテルの一員である「東急REIホテル」の看板を外し、BELLUSTAR TOKYO や STREAM HOTEL が属する「DISTINCTIVE SELECTION」へ移したことです。ブランド階層の移動であり、系列離脱ではありません。

東急ホテルズ&リゾーツは、2018年の開業直後に訪れたコロナ禍によって当初想定した体験設計型ホテルとしての展開が一時停止したこと、その後の8年間を多摩川でのイベントや地域連携の活動に充ててきたことを公式リリースで説明しています。同社はこのリブランドを「8年越しの思想の帰還」と表現しました。総合プロデュースは入川スタイル&ホールディングス株式会社が担当します。

客室186室の構成 ─ 19〜26.9㎡、10タイプ

公式サイトが公開している客室タイプは10種類です。フロア帯とバスルーム仕様が価格帯の境目になっています。

客室タイプ ベッド 面積 バスルーム 利用人数
スーペリア ダブル 1台(140×195) 19㎡ シャワーブースのみ 2〜4F 1〜2人
スーペリア クイーン 1台(160×195) 19㎡ シャワーブースのみ 2F 1〜2人
スーペリア ツイン 2台(110×195) 24.3㎡ ユニットバス 2〜4F 1〜2人
スーペリア ラージツイン 2台(110×195) 26.9㎡ ユニットバス 2〜4F 1〜3人
スタンダード ツイン 2台(90×195) 19㎡ シャワーブースのみ 3〜4F 1〜2人
プレミアム ダブル 1台(140×195) 19㎡ シャワーブースのみ 5F 1〜2人
プレミアム クイーン 1台(160×195) 19㎡ シャワーブースのみ 5F 1〜2人
プレミアム ツイン 2台(110×195) 24.3㎡ ユニットバス 5F 1〜2人
プレミアム ラージツイン 2台(110×195) 26.9㎡ ユニットバス 5F 1〜3人
アクセシブル ツイン 2台(110×195) 26.9㎡ ユニットバス 2〜3F 1〜2人

面積の下限は19㎡、上限は26.9㎡です。19㎡帯の5タイプはシャワーブースのみ、24.3㎡以上はユニットバスという切り分けになっています。スーペリアとプレミアムは面積・ベッドサイズが同一で、違いはフロアです。プレミアムは5Fに集約されています。3人利用に対応するのはラージツインの2タイプで、いずれも26.9㎡。バリアフリー対応のアクセシブルツインは2〜3Fに配置されています。

The HOTEL Well-hub Haneda — 川崎市川崎区殿町 · 19〜26.9㎡の客室と館内サイン、多摩川対岸に羽田空港を望む窓
PHOTO: The HOTEL Well-hub Haneda(公式サイト)

館内施設と「インクルーシブ型」の中身

宿泊料金に含まれるのは、朝食に加えてヨガ、空手、日本茶ワークショップといった日中のカルチャーコンテンツ、夜のDJナイト、サックスなどのライブ、スタンドアップコメディです。公式サイトは「Inclusive/Included とは宿泊費に全ての費用が含まれているという意味ではない」と明記しており、朝食と一部アクティビティが対象という整理です。この線引きは、法人精算で内訳を求められる出張利用でも確認しておく価値があります。

館内の主要施設は次のとおりです。大浴場とサウナは5:00〜10:00および15:00〜25:00の2部制。館内にタオルの備え置きがないため客室から持参する運用で、川崎市公衆浴場法施行条例により7歳以上の男女混浴は不可、女性用浴場は専用カードキー式です。エクササイズルームは6:00〜21:00、18歳以上が対象。ランニングステーションは、ランナー向けアプリを運営する株式会社ラントリップのプロデュースにより「Runtrip BASE TAMAGAWA」として開設されました。着替え・シャワー機能に加え、1階には荷物やギアを預けられる「バゲージ&ラック」が用意されています。

会議室は2室です。カンファレンスルームAが25㎡・収容12名・1時間15,000円(税込)、Bが16㎡・収容6名・1時間10,000円(税込)。いずれも利用時間は8:00〜22:00で、それ以外は要相談。撮影時の控室としての利用も想定されています。飲食はディナー営業のすき焼「おいし」(17:00〜22:00、L.O.21:30、水曜定休)と、終日営業の「RIVER CAFE」(平日11:00〜21:00、土日祝9:00〜21:00)の2店。すき焼は1912年創業の日山が選定した和牛を使います。朝食の提供時間は7:00〜10:00、最終入店9:30です。

The HOTEL Well-hub Haneda — 川崎市川崎区殿町 · ラウンジ&バー、DJナイトやライブが行われる館内共用部
PHOTO: The HOTEL Well-hub Haneda(公式サイト)

立地とアクセス ─ 羽田空港から車10〜20分、鉄道最寄りは徒歩15分

ホテルは多摩川左岸、羽田空港を対岸に望む位置にあります。空港からの所要は公式表記で車約10〜20分。無料シャトルバスが羽田空港と川崎駅東口の2方面に運行されており、羽田空港へは約10〜20分、JR川崎駅・京急川崎駅へは約20分です。シャトルは定員20席・先着順で予約不可、ホテル発の乗車には館内で受け取るシャトルバスチケットの提示が必要という運用です。1階カフェのみの利用はチケット配布の対象外とされています。

公共交通では、羽田空港第3ターミナルから臨港バスまたは京急バスで「キングスカイフロント(西)」まで約11分、そこから徒歩約3分。このバス路線は2022年3月12日に開通した多摩川スカイブリッジを経由します。川崎駅方面からは、東口バスのりばから「キングスカイフロント入口」まで約20分+徒歩約5分、または京急大師線の小島新田駅からタクシー約5分・徒歩約15分です。鉄道駅からの徒歩アクセスは良好とは言えず、シャトルバスと路線バスが実質的な導線になります。

駐車場は敷地内の「D-Parking殿町3丁目第2」で普通車50台、24時間入庫可。宿泊者料金は24時間(14:00〜翌14:00)1,000円、通常料金は昼間8:00〜22:00が1時間200円・昼間最大1,000円、夜間22:00〜8:00が1時間100円・夜間最大500円です。ホテル直営の駐車場ではないため事前予約はできず、満車時は周辺のコインパーキングを使う前提になります。

周辺は川崎市が「殿町国際戦略拠点 キング スカイフロント」として整備するライフサイエンス・環境分野の研究開発拠点で、キングスカイフロント運営管理センターは殿町3-25-10、ホテルの隣接番地にあります。飲食・物販の集積は薄く、夜間の外出前提の滞在には向きません。館内で完結させる設計は、この立地条件への合理的な回答でもあります。

川崎駅前のビジネスホテル群との棲み分け

川崎区の宿泊供給は、JR川崎駅・京急川崎駅の周辺に集中しています。公開データを集計したところ、川崎駅から半径1km圏には客室50室以上のホテルが34軒あり、客室300室級の大型宿泊特化型から50室台の小型まで幅広く並びます。価格帯は宿泊主体型が中心で、出張需要と京浜工業地帯の作業員需要が土台です。

殿町は同じ川崎区でも駅前クラスタから直線で約5km離れており、鉄道でつながっていません。したがって、リブランド後のこのホテルが川崎駅前と客室単価で正面から競合する場面は限定的です。目安価格の1泊2名1室¥22,000〜¥32,000というレンジは、川崎駅前の宿泊特化型より上に位置します。競合軸はむしろ、羽田空港周辺および大田区蒲田・大森の空港アクセス型ホテル、さらに東京都心の中位クラスに移ります。

出張者側から見ると、判断材料は明確です。羽田発着の便を軸に前泊後泊を組むなら、シャトル運行時刻に合わせられる限りこのホテルの所要時間は競争力があります。一方で、川崎駅前での商談や京急線・JR南武線沿線への移動が主目的なら、駅前クラスタの方が動きやすい。研究拠点への訪問という本来の法人需要は残りますが、インクルーシブ型への移行によって、素泊まり最安値を求める層は駅前へ流れる可能性があります。

集約レビューが示す評価の傾向

公開レビューデータを集計すると、リブランド前の期間を含む総合評価は川崎区内の宿泊施設として上位帯に位置し、蓄積件数も同区の平均を大きく上回ります。傾向として支持を集めてきたのは、大浴場とサウナを備える点、多摩川と羽田空港を望む眺望、そして空港シャトルの利便性でした。宿泊特化型が並ぶエリアで大浴場を持つ館は多くありません。

他方、評価が割れてきたのは周辺環境と鉄道アクセスです。最寄り駅から徒歩15分という条件と、夜間に開いている店舗が限られる立地は、館内で完結できない旅程では不便として受け止められます。19㎡・シャワーブースのみの客室が10タイプ中5タイプを占める構成も、宿泊料金の水準と照らして評価が分かれてきた要素です。リブランド後はこの弱点をインクルーシブの体験価値で埋める設計に切り替えたことになります。評価がどう動くかは、7月6日以降の宿泊分が蓄積するまで判断できません。

具体情報

  • 名称: The HOTEL Well-hub Haneda(ザ ホテル ウェルハブ ハネダ)/旧・川崎キングスカイフロント東急REIホテル
  • 所在地: 〒210-0821 神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-11(TEL 044-280-1090)
  • 客室数: 186室(19〜26.9㎡、10タイプ、2〜5F)
  • 開業 / リブランド: 2018年開業 → 2026年7月6日リブランド開業
  • 運営: 東急ホテルズ&リゾーツ株式会社(ブランド群「DISTINCTIVE SELECTION」)
  • アクセス: 羽田空港より車で約10〜20分(無料シャトルあり)/京急大師線 小島新田駅から徒歩約15分
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00
  • 食事: 朝食 7:00〜10:00(最終入店9:30、宿泊料金に含む)/すき焼「おいし」/RIVER CAFE
  • 会議室: 2室(25㎡・12名/16㎡・6名、8:00〜22:00、1時間15,000円/10,000円 税込)
  • 駐車場: 敷地内50台(宿泊者24時間1,000円、事前予約不可)
  • 大浴場・サウナ: 5:00〜10:00 / 15:00〜25:00(7歳以上の男女混浴不可)

Media Picks Score

93 / 100 — 内訳の考え方は、公開レビューの集約評価と蓄積件数を土台に、立地適合、施設の主題適合、ブランド強度を編集部が加点する方式です。加点が大きいのは立地で、羽田空港から車10〜20分・無料シャトル運行という条件は本記事の主題そのものに一致します。減点要因は鉄道最寄り駅から徒歩約15分という単独アクセスの弱さと、19㎡帯が客室構成の中心を占める点です。リブランド後の施設評価はまだ蓄積前のため、加点は控えめに置いています。

よくある質問

Q. 旧名称の「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」は今も使えますか?

A. 2026年7月6日のリブランド開業をもって名称は「The HOTEL Well-hub Haneda」に変更されました。旧名称での案内・予約は行われていません。所在地(川崎区殿町3-25-11)、電話番号(044-280-1090)、建物、客室186室はいずれも従前のままです。社内システムや出張規程に旧名称で登録している場合は差し替えが必要になります。

Q. 会議室は宿泊者以外も使えますか。料金は?

A. カンファレンスルームAが25㎡・収容12名で1時間15,000円(税込)、Bが16㎡・収容6名で1時間10,000円(税込)です。利用時間は8:00〜22:00、それ以外の時間帯は要相談とされています。羽田空港から車約10分の位置にあるため、遠方からの参加者を集める打ち合わせや、撮影時の控室としての利用が想定されています。

Q. 宿泊料金には何が含まれますか?

A. 朝食のほか、ヨガ・空手・日本茶ワークショップなどの日中コンテンツ、夜のDJイベントやライブが含まれます。ただし公式サイトは「宿泊費に全ての費用が含まれているという意味ではない」と注記しており、含まれるのは朝食と一部のアクティビティです。すき焼「おいし」やRIVER CAFEでの飲食、レンタサイクル以外の有料ツアーは別料金になります。法人精算で内訳が必要な場合は予約時の確認が要ります。

Q. 駐車場はありますか?

A. 敷地内の「D-Parking殿町3丁目第2」に普通車50台分(幅2.5m×長さ5.0m、高さ制限なし)があり、24時間入庫可能です。宿泊者料金は24時間(14:00〜翌14:00)で1,000円。ホテル直営ではないため事前予約はできず、満車の場合は周辺のコインパーキングを使うことになります。

Q. 空港シャトルバスの予約は必要ですか?

A. 予約は受け付けておらず、定時運行・先着順です。定員は20席で、荷物の積載状況によっては満席に達しない段階で締め切られる場合があります。ホテル発の便に乗る際はフロントデスクで受け取るシャトルバスチケットの提示が必要です。羽田空港では乗り場がターミナルごとに異なるため、事前確認が前提になります。

本記事の参考情報

The HOTEL Well-hub Haneda 公式サイト — 客室構成、館内施設、アクセス、営業時間
東急ホテルズ&リゾーツ プレスリリース(2026年7月6日) — リブランドオープンとホテル概要
東急・東急ホテルズ&リゾーツ プレスリリース(開業決定告知) — リブランドの背景と3つの特徴
川崎市 殿町国際戦略拠点 キング スカイフロント — 立地する拠点の概要
川崎市 多摩川スカイブリッジ開通 — 2022年3月12日開通の羽田=殿町間の橋梁

編集部から

このリブランドで注目すべきは、建て替えも運営会社変更も伴わない点です。客室186室、建物、立地はそのままに、料金設計と客層の設定だけを組み替えました。訪日需要が回復した局面で、既存ストックの位置づけを変えることで単価帯を引き上げる手法は、今後の中位クラス改装で繰り返し現れる可能性があります。同社は2027年2月に東京麹町東急REIホテルの開業を予定しており、東急REIブランド自体は継続します。羽田近接という条件を持つ既存ホテルが、出張需要と訪日需要のどちらに軸足を置くのか。判断が分かれる局面に入りました。

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