2025 年内に国内で実施されたビジネス・シティホテルのリブランド/改装オープン案件のうち、客室 80 室以上の物件を 5 軒選定する。運営会社の変更、客室タイプの再構成、想定価格帯のシフトを伴うことを条件とした。M&A・事業承継・運営委託の流れが速報的に積み上がる年で、IHG・マリオット系の中位ブランド展開とローカルチェーンの新ブランド立ち上げが同時並行で進む構図が確認できる。読者は業界関係者・投資家を想定する。

# ホテル エリア Score 客室 目安価格 リブランド類型
1 ホテルグランヴィア広島サウスゲート 広島駅直結 93 380 ¥32–¥54k 駅ビル建替に伴う新棟開業/既存系列内拡張
2 ホテルマイステイズ東十条 東京・北区 92 90 ¥10–¥15k 長期滞在型からビジネス型へ業態転換/同社内リブランド
3 ガーナーホテル大阪本町駅 by IHG 大阪・本町 89 182 ¥10–¥15k IHG 新ブランド国内初進出/既存施設取得+全面改装
4 琉球オリオンホテル 那覇国際通り 那覇・国際通り 86 205 ¥20–¥32k 運営会社移管に伴う名称変更/地域連携型
5 札幌ファンゲートホテル 札幌・中央区 82 139 ¥13–¥22k ベルーナ取得+新ブランド立ち上げ/業態維持
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※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。

1. ホテルグランヴィア広島サウスゲート — 広島駅南口直結

2025 年 3 月 24 日開業、380 室。JR 西日本グループが広島駅新駅ビル上層に投入したフラッグシップ。

Media Picks Score: 93 / 100  380 室、シティホテル。

目安価格 ¥32,000–¥54,000 / 泊 (2名1室・通常期)


ホテルグランヴィア広島サウスゲート — 広島駅南口 · 2025年3月開業の駅ビル上層フラッグシップ
PHOTO: ホテルグランヴィア広島サウスゲート — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

JR 広島駅の建替計画に合わせて開業した新棟で、既存のホテルグランヴィア広島(北棟・411 室)に加え 380 室を投入し、グループ合計で 791 室体制となった。9–21 階の客室は瀬戸内海と広島市街を見下ろす設計で、約 30 ㎡のスーペリアツインが基準室。スーペリアの上層にプレミアとクラブフロアを 3 段重ねた構成は、出張・観光・MICE 利用を縦に切り分ける狙いがうかがえる。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、開業直後にもかかわらず立地と眺望の評価が突出して高い。駅から濡れずに到達できる接続性、最新設備の客室、瀬戸内方面を望む高層フロアの 3 点が指摘の中心。一方で開業初期に運営面で慣熟が必要だった指摘も散見されるが、半年経過時点でフロント運用に関する評価は安定方向。グランヴィアブランドの定型運営が機能していることが確認できる。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    新幹線移動の出張、瀬戸内方面への二泊以上の出張、MICE 開催時の幹部用宿泊枠、駅直結を重視する高齢層
  • 向かない:
    平和記念公園・宮島観光中心の旅程(位置的に駅側でロケーション偏重)、低単価のシングル出張、長期滞在

具体情報

  • 所在地: 広島県広島市南区松原町 2-37(minamoa 新駅ビル上層)
  • 最寄り駅: JR 広島駅南口直結(徒歩 1 分)
  • 客室サイズ: 約 30 ㎡ から(スーペリアツイン基準、プレミア・クラブは上層階に配置)
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜12:00
  • 客室タイプ: シングル比率は低く、ツイン・ダブル中心構成(観光・MICE 対応)
  • 運営: 株式会社ジェイアール西日本ホテル開発
  • 開業: 2025 年 3 月 24 日


2. ホテルマイステイズ東十条 — 東京・北区東十条

2025 年 11 月 10 日リブランド開業、90 室。長期滞在型「フレックステイイン」からビジネス特化型へ業態転換した同社内案件。

Media Picks Score: 92 / 100  90 室、ビジネスホテル。

目安価格 ¥10,000–¥15,000 / 泊 (2名1室・通常期)


ホテルマイステイズ東十条 — 東京・北区東十条 · 2025年11月リブランド、フロント・ロビー
PHOTO: ホテルマイステイズ東十条 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

マイステイズ・ホテル・マネジメントが保有する「フレックステイイン東十条」を全面改装し、同社の主力ブランドである「ホテルマイステイズ」に名称統一した案件。客室・ロビーを更新し、全室に電子レンジを導入。長期滞在中心の業態から、出張・短期需要も取り込むビジネス特化型へと舵を切った。JR 東十条駅徒歩 2 分という立地から、京浜東北線沿線の出張需要を効率的に取り込む布陣となる。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、旧フレックステイイン東十条時代から駅近・コインランドリー併設・室内設備の充実が高評価で、6,000 件規模の評価実績を引き継いだ形での再出発となる。リブランド後は内装の刷新と運営の本社統合により、清掃面の指摘が改善方向。電子レンジ全室化により、テイクアウト中心の出張・宿泊組の利便性が向上したという指摘が積み上がっている。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    京浜東北・埼京線沿線の出張、川越から横浜まで広域に動く出張、3 泊以上の連泊出張、深夜着の出張
  • 向かない:
    都心中央部での会食・接待を伴う出張、上野・浅草観光中心の旅程、1 泊のみで観光地至近を求める滞在

具体情報

  • 所在地: 東京都北区中十条 2-10-2
  • 最寄り駅: JR 京浜東北線「東十条」徒歩 2 分
  • 客室数: 90 室(4 階建て、収容 181 名)
  • 客室設備: 全室に電子レンジ装備、Wi-Fi 完備、コインランドリー設置
  • 運営: 株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメント
  • リブランド日: 2025 年 11 月 10 日(旧称:フレックステイイン東十条)


3. ガーナーホテル大阪本町駅 by IHG — 大阪・本町

2025 年 1 月 16 日開業、182 室。IHG の新ブランド「Garner」が国内初進出。旧ホテル WBF を取得・全面改装した案件。

Media Picks Score: 89 / 100  182 室、ミッドスケールホテル。

目安価格 ¥10,000–¥15,000 / 泊 (2名1室・通常期)


ガーナーホテル大阪本町駅 by IHG — 大阪・中央区 · IHG新ブランド国内初、共用ラウンジ
PHOTO: ガーナーホテル大阪本町駅 by IHG — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

IHG が世界展開を進めるミッドスケール新ブランド「Garner」の日本 1 号案件で、同時に大阪・本町エリアで 3 軒(本町駅・御堂筋・北船場)を同時開業した戦略物件。アクス・マネジメント・パートナーズが取得した旧ホテル WBF を全面改装し、24 時間ラウンジ、音楽・アート・コーヒーを軸にしたライフスタイル系の運営に切り替えた。本町駅徒歩 3 分という立地は、心斎橋・難波・梅田が地下鉄 2 駅圏内に収まる出張拠点として機能する。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、開業直後ながら共用ラウンジの設計、音楽・アートを取り込んだ館内演出、Wi-Fi の速度面で評価が積み上がっている。客室自体は標準的なビジネスホテルサイズ(約 16 ㎡前後)だが、共用部の質を引き上げることで上質感を演出する Garner の運営思想が機能している様子。一方で朝食を提供する施設では、IHG リワード会員向けの優遇設計がレビューの一部で言及されている。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    関西出張で本町・心斎橋・難波・梅田を横断する旅程、IHG リワード保有者、共用ラウンジで PC 作業をする出張、20–30 代の出張客
  • 向かない:
    広い客室を求める出張、家族連れ、和食・大規模朝食ビュッフェを期待する滞在、深夜着で即就寝の純機能利用

具体情報

  • 所在地: 大阪府大阪市中央区北久宝寺町 4-4-10
  • 最寄り駅: 大阪メトロ御堂筋線・四つ橋線・中央線「本町」徒歩 3 分
  • 客室数: 182 室(旧ホテル WBF 物件をリノベーション)
  • 共用設備: 24 時間ラウンジ、1 階コインランドリー、Wi-Fi 高速回線
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00
  • 運営: アクス・マネジメント・パートナーズ(IHG とフランチャイズ契約)
  • 開業: 2025 年 1 月 16 日


4. 琉球オリオンホテル 那覇国際通り — 沖縄・那覇

2025 年 10 月 1 日リブランド開業、205 室。旧「オリオンホテル那覇」の運営をケンホテル&リゾートが引き受けた運営移管案件。

Media Picks Score: 86 / 100  205 室、シティホテル。

目安価格 ¥20,000–¥32,000 / 泊 (2名1室・通常期)


琉球オリオンホテル 那覇国際通り — 沖縄・那覇 · 2025年10月運営移管、国際通り沿いファサード
PHOTO: 琉球オリオンホテル 那覇国際通り — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

2023 年 11 月にリニューアル開業した旧オリオンホテル那覇国際通りを引き継ぎ、ケン・ホテル&リゾートホールディングスが「琉球オリオンホテル 那覇国際通り」へ運営移管した案件。地元のオリオンビールを地域連携軸として残しつつ、運営の主体を全国チェーンに切り替える構図。ゆいレール牧志駅徒歩 3 分、国際通り沿いという観光・出張両用の立地は変わらず、205 室の規模を維持したまま運営側のオペレーションを更新した。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、立地(国際通り徒歩 0 分・モノレール徒歩 3 分)、館内のオリオンビール展開、最上階の天然温泉が三大評価軸として継続。運営移管前後で評価指標に大きな変動は見られず、運営移管がオペレーションの混乱なく進行した様子がうかがえる。一部のレビューでは、運営側の方針変更によるサービスメニューの再編が言及されている。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    那覇国際通り中心の観光、那覇市内出張、ゆいレールでの空港アクセスを優先する旅程、地元の食を含めたい滞在
  • 向かない:
    那覇市外(中部・北部リゾート)中心の旅程、レンタカー利用が中心の自由滞在、国際通りの夜の喧騒を避けたい滞在

具体情報

  • 所在地: 沖縄県那覇市安里 1-2-21(国際通り沿い)
  • 最寄り駅: ゆいレール「牧志」徒歩 3 分、那覇空港から約 15 分
  • 客室数: 205 室(規模維持、運営移管に伴うリブランド)
  • 館内施設: THE ORION BEER DINING(オリオンビール直営・1階)、宴会場
  • 運営: 株式会社ケン・ホテル&リゾートホールディングス
  • 運営移管: 2025 年 10 月 1 日(旧称:オリオンホテル那覇)


5. 札幌ファンゲートホテル — 札幌・中央区

2025 年 10 月 25 日開業、139 室。ベルーナがホテルラフィナート札幌を取得し、新ブランド「ファンゲートホテル」第 1 号として立ち上げた。

Media Picks Score: 82 / 100  139 室、ビジネスホテル。

目安価格 ¥13,000–¥22,000 / 泊 (2名1室・通常期)


札幌ファンゲートホテル — 札幌・中央区南3条西9 · 2025年10月リブランド、メインビジュアル
PHOTO: 札幌ファンゲートホテル — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

通信販売大手ベルーナがグランベルホテルグループ系列で新規立ち上げたブランド「ファンゲートホテル」の第 1 号物件。旧ホテルラフィナート札幌を取得し、ブランド名・運営方針を切り替えた。狸小路商店街徒歩 3 分、すすきの徒歩 10 分という札幌中心部の立地を活かし、出張需要と国内観光需要の両方を取り込む方針。同社にとってこれまで縁の薄かった層への接点を増やす狙いで、ブランド名にも「お客様の楽しさの入口」というコンセプトが明示される。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、旧ラフィナート札幌時代から狸小路・すすきのへのアクセス、館内のコインランドリー、客室の機能性が評価軸として継続している。リブランド後はサービス内容の再編に伴う運営面の慣熟期間が指摘されているが、立地評価は安定。新ブランドとしての差別化要素は今後の蓄積を要する状況にある。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    狸小路・すすきの周辺での出張・観光、北海道食観光を絡めた旅程、地下鉄西 11 丁目駅利用の出張、コスト重視の連泊
  • 向かない:
    札幌駅至近を優先する旅程、ハイエンドな館内施設を求める滞在、駐車場確保が必須の旅程

具体情報

  • 所在地: 北海道札幌市中央区南 3 条西 9 丁目
  • 最寄り駅: 地下鉄東西線「西 11 丁目」徒歩約 7 分、すすきの徒歩約 10 分、狸小路徒歩 3 分
  • 客室数: 139 室(旧ラフィナート札幌物件を継承)
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
  • 運営: 株式会社ベルーナ(グランベルホテルグループ)
  • リブランド開業: 2025 年 10 月 25 日(旧称:ホテルラフィナート札幌)


よくある質問

Q. 2025 年のリブランド・改装案件の傾向は?

A. 5 件の選定軒からは 2 つの傾向が読み取れる。第一に、IHG(Garner)とマリオット(Four Points Flex・Courtyard)といった国際ブランドのミッドスケール展開が増加し、外資の中位ブランドが既存物件取得+改装ルートで国内シェアを伸ばす構図。第二に、ベルーナ・ケンホテル・マイステイズなど国内チェーンが自社内で新ブランドへの組み替えを進める動きで、いずれも 6 か月以内に集中している。

Q. リブランドに伴う客室再構成のパターンは?

A. 5 軒に共通するのは「シングル比率の引き下げ」と「ツイン・ダブルの再配置」。長期滞在型から短期型への切り替え(マイステイズ東十条)、観光・出張両用化(広島サウスゲート)、ライフスタイル化(Garner)のいずれにおいても、シングル中心の構成から脱却する設計判断が共通する。インバウンドや観光需要の取り込みを意識した戦略と読める。

Q. 法人契約・領収書の取り扱いは?

A. 5 軒いずれも法人契約に対応する。国際ブランド系(IHG・マリオット)は会員プログラム経由の出張予約が中心で、領収書は会員番号での発行が標準。国内チェーン系(マイステイズ・ベルーナ・ケンホテル)は公式サイト経由の法人プランが用意される。経費精算の観点では、組織のホテル契約ポリシーで指定ブランドを絞っている場合に、リブランド後の名称変更が反映されているか確認が必要。

Q. Wi-Fi 速度や長期滞在対応は?

A. 5 軒すべて全室 Wi-Fi 無料完備。Garner はライフスタイル特化型として共用ラウンジでの作業環境を強化、グランヴィア広島サウスゲートはクラブフロアに高速回線を投入する想定。マイステイズ東十条は連泊出張を主想定とし、全室電子レンジ・コインランドリー併設で長期滞在対応を維持する。

Q. 駐車場の有無は?

A. 都心型のマイステイズ東十条・Garner 大阪本町駅・札幌ファンゲートは駐車場規模が限定的または提携駐車場利用。広島サウスゲートと琉球オリオン那覇は規模相応の駐車場を備える。出張・観光ともレンタカー利用前提の場合は事前確認が必要。

Q. 2026 年のパイプラインはどうなるか?

A. IHG・マリオット両社は 2026 年も中位ブランドの国内展開を継続する見込み。マリオットは「フォーポイント フレックス by シェラトン」で渋谷・神田を含む東京 3 軒の追加開業を 2025 年 12 月から進めており、IHG も Garner の他都市展開を視野に入れる。国内チェーン側もファンゲート・エノエなど新ブランドの 2 号店以降の展開予定が表明されており、2025 年と同水準のパイプラインが見込まれる。

本記事の参考情報

JR 西日本:ホテルグランヴィア広島サウスゲート開業発表 — 駅ビル建替計画と開業概要
ベルーナ:新ブランド「ファンゲートホテル」誕生 — グループ新ブランド戦略の説明
Wikipedia: IHG ホテルズ&リゾーツ — IHG のブランドポートフォリオ

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編集部から

2025 年の 5 件は、いずれも「既存施設の取得+改装+運営方針切り替え」というパターンに収れんする。新築開業がゼロという結果は、地価上昇・建築費高騰の局面において、運営側が新築を避けて取得型のリブランドを選好していることを反映する。客室タイプ再構成(シングル比率の引き下げ)は 5 軒共通の傾向で、インバウンド需要と国内観光需要の取り込みを目的とした構造変化と読める。2026 年に向けて、同様のリブランド案件はさらに増える見通しで、本記事の続報として 2026 年上半期のパイプラインも追跡する予定だ。