東横インが2026年2月7日、高知市本町2-1-13に「東横INN高知」を開業した。客室209、地上14階建、延床面積4,297.68㎡。同社にとって47都道府県すべての出店を完了させる最後の1棟であり、四国南岸で唯一の県庁所在地クラスである高知市中心部に、宿泊特化型の中規模供給が一気に積まれた。とさでん交通「大橋通」電停から徒歩1分、JR高知駅から徒歩約25分。出張需要が薄い土曜夜と平日とで稼働の山谷が大きい高知市場で、この1棟が前泊・後泊の選択肢をどう書き換えるかを読む。
※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。

概要 ─ 47都道府県制覇のラスト1棟
東横インが高知に進出した。東横INN高知は2026年2月7日に開業し、これにより同社は1986年の蒲田1号店以来、約40年で47都道府県すべてに店舗を持つチェーンとなった。空白だった高知県を埋める1棟として、業界紙が長らく出店時期を追っていた案件である。所在地は高知市本町2-1-13、敷地面積698.49㎡、延床面積4,297.68㎡、地上14階建。総客室数209、シングル113室、デラックスシングル13室、エコノミーダブル24室、ダブル11室、その他プレミアムプラスルームを含む客室タイプを揃える。最上階に朝食会場を置き、高知城を一望できる設計とした点が公式リリースで強調されている。
Media Picks Score: 89 / 100 209室、宿泊特化。
目安価格 ¥10,000–¥12,000 / 泊 (2名1室・通常期)
立地 ─ 大橋通電停徒歩1分、JR高知駅徒歩25分
立地は高知市本町2-1-13。とさでん交通の路面電車「大橋通」電停の前に位置し、徒歩1分。JR土讃線高知駅からは徒歩約25分、タクシーで5分前後の距離となる。電停から南へ徒歩約5分の「はりまや橋」、観光と業務の交差点である中央公園、高知城へも徒歩圏。中心市街地と県庁・市役所の業務集積を同時にカバーする位置で、市内出張の前泊・後泊にも、四万十・室戸方面への中継泊にも使える。空港アクセスは高知龍馬空港から「高知駅前」までリムジンバス約25分、そこから徒歩接続となるため、午前便の前泊需要にも耐える。
客室・設備 ─ 209室の内訳と無料朝食
客室タイプは公式情報でシングル113室、デラックスシングル13室、エコノミーダブル24室、ダブル11室、プレミアムプラスルーム10室、ほかにツインや障がい者対応ルームを含む。チェックインは15:00、チェックアウトは10:00。朝食はビュッフェスタイルの「元気朝食」を無料提供し、提供時間は6:30〜9:00。Wi-Fiは全室無料、館内コインランドリーを備える。駐車場は平置き8台、予約制で1泊1,200円、時間外は1時間100円。大浴場の整備はなく、客室は東横インチェーンの標準仕様に準拠する。地元採用約70名、支配人を除く従業員のほぼ全員を高知で採用したと運営は説明している。
具体情報
- 所在地: 高知県高知市本町2-1-13
- 最寄り駅: とさでん交通「大橋通」電停 徒歩1分/JR高知駅 徒歩25分
- 客室数: 全209室(シングル113/デラックスシングル13/エコノミーダブル24/ダブル11/プレミアムプラス10 ほか)
- 階数: 地上14階建
- 延床面積: 4,297.68㎡(敷地面積 698.49㎡)
- チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
- 朝食: 6:30〜9:00 無料ビュッフェ「元気朝食」
- 駐車場: 平置き 8台、予約制 ¥1,200/泊
- 開業日: 2026年2月7日
- 運営: 株式会社東横イン
市場文脈 ─ 高知市中心部の宿泊特化供給
高知市中心部の主要な宿泊特化型・準宿泊特化型ホテルは、JR高知駅前のJRクレメントイン高知(187室、2020年11月開業)、はりまや橋周辺の西鉄イン高知はりまや橋ほか、複数の中規模チェーン店舗が分散立地してきた。今回の東横INN高知の209室は、客室数だけ見れば市内最大級の宿泊特化供給となる。中心部の宿泊特化在庫は推定で1,500室前後とされており、1棟で2桁%の純増にあたる。土日のレジャー需要、平日の出張需要、四万十・室戸へ向かう中継泊需要のいずれもが、これまでより低い価格帯と高い空室確率で動くことが見込まれる。一方、季節要因が大きい高知では、よさこい祭り・日曜市・お遍路シーズンの集中日には早い段階で満室化することが想定され、価格の谷と山の差は引き続き残る。
業界的意味 ─ 47都道府県制覇の節目
東横インは1986年に蒲田1号店を開業し、国内340店舗超を展開してきた。高知県は同社にとって長らく空白県となっており、2024年4月に発表された出店計画では「2026年2月開業を目指す」とされた。地鎮祭から開業まで約1年10ヶ月、計画通りの進捗で、47都道府県制覇という業界節目を伴う案件として注目を集めた。チェーン側のコメントは「全47都道府県への出店を達成する」最後の1棟であることを強調し、開業当日には宿泊客全員に「ご当地GENKIバッジ」高知版を配布する記念施策も実施。地方都市の宿泊特化供給で東横インが終着点を打ったことは、同チェーンの国内展開フェーズが量的拡大から運営最適化へ移行する象徴的タイミングでもある。
前泊供給への影響 ─ 四国南岸出張の動線
四国南岸の出張動線では、高知市は松山・徳島・高松と並ぶ拠点である。四国内の出張は、空路便数の少なさからJR・高速バスの組合せが主流で、前後泊の発生確率が他地域より高い。これまで高知市中心部の宿泊特化供給は、駅前と中心市街地の両方に分散しつつも、繁忙期にはほぼ常に満室化し、土佐山田・南国まで宿を取らざるを得ないケースも珍しくなかった。209室が単一棟で稼動を開始したことで、繁忙期の溢れ需要が中心部内で吸収できる確率は高まる。一方、よさこい期間(毎年8月9日〜12日)・日曜市の集中する週末・カツオ漁解禁期などのピーク日は、需給バランスが従来通り厳しい状態が続く可能性は否定できない。中心部の宿泊特化在庫が増えた結果、平日の出張需要に対する価格の頭打ちが先行して進むことが、業界的に最も観察に値する点となる。
編集部から
東横INN高知の開業は、47都道府県制覇という象徴性と、四国南岸の宿泊特化供給という実需面の両方に意味を持つ。客室209の中規模1棟が、高知市中心部の前泊供給図をどう書き換えるかは、開業半年・1年のタイミングで稼働率と価格動向を追えば明確になる。地元採用約70名、最上階に高知城を望む朝食会場、電停徒歩1分という基本構成は、東横インチェーンが地方都市で運営してきた標準仕様に高知の地域性を最小限の装飾で重ねた形である。次の論点は、運営半年後の稼働実績と、既存の中心部宿泊特化在庫がこの1棟を受けて価格戦略をどう変えるかにある。
よくある質問
Q. 法人契約・出張プランの設定はあるか
A. 東横インチェーンは法人会員制度と長期滞在割引を全国共通で運用しており、高知店舗もこれに準ずる。月単位の長期滞在割引、領収書の分割・名義変更は会員サイトおよびフロントで対応する。出張規程に基づく一括精算は法人契約後に運用される。
Q. JR高知駅から徒歩可能か、空港からのアクセスは
A. JR土讃線高知駅から徒歩約25分。重い荷物がある場合はタクシー約5分が現実的。高知龍馬空港からはリムジンバスで「高知駅前」または「はりまや橋」下車、いずれからも徒歩・タクシーで接続できる。
Q. 駐車場は当日でも空いているか
A. 館内駐車場は8台のみの予約制(1泊1,200円)で、繁忙期は早い段階で埋まる。近隣のコインパーキングは大橋通電停周辺と本町通り沿いに複数あり、24時間最大料金設定の施設も多い。
Q. Wi-Fi速度や長期滞在対応は
A. 全室無料Wi-Fi、コインランドリー、客室内デスク・電源は標準装備。1週間〜1ヶ月単位の長期滞在は会員サイトの長期割引プランで対応する。電源容量・Wi-Fi速度の個別仕様は公式に公開されていないため、業務利用前は事前に問い合わせるのが確実。
Q. 大浴場はあるか
A. 大浴場の設置はない。客室内ユニットバスのみで、東横インチェーンの標準仕様に準ずる。大浴場利用を重視する場合は近隣の宿泊施設または日帰り温浴施設の検討となる。
本記事の参考情報
・東横INN高知 公式ページ — 開業日・客室数・所在地・各種料金
・株式会社東横イン プレスリリース(2025年11月5日) — 開業告知
・高知市公式サイト — 中心市街地の交通・観光情報