東横インが2026年2月7日、47都道府県で最後の未進出県だった高知県で「東横INN高知」を開業する。地上14階建て、客室209室、総事業費は約18億円。とさでん交通「大橋通」停留場から徒歩1分、はりまや橋やひろめ市場を含む高知市中心部の商業集積の中央に立地する宿泊特化型ホテルで、高知県内における中規模ビジネス供給の空白を1棟で塗り替える案件と位置づけられる。

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。


東横INN高知 — 高知市本町・とさでん大橋通停留場前 · 2026年2月開業、14階建て209室の宿泊特化型ホテル
PHOTO: 東横INN高知(公式ランディングページより) — 公式サイトを見る →

Media Picks Score: 88 / 100  客室209室、宿泊特化型ホテル、運営: 株式会社東横イン

目安価格 ¥10,000〜¥12,000 / 泊 (2名1室・通常期)

1棟集中で読む「47都道府県制覇」の意味

東横インは2024年時点で46都道府県に337店舗を展開しており、残る唯一の未進出県が高知県だった。2024年4月に高知市本町2丁目で地鎮祭を行い、14階建て209室、投資額約18億円の新築工事に着手。2026年2月7日の開業日をもって、業界初となる47都道府県すべてでの店舗展開が完了する。

「高知県が最後」は単に地理的な残り物ではなく、四国4県のなかで最も宿泊特化ブランドの展開が遅れていたエリア構造を反映している。高知市内の既存ビジネスホテル供給は、リッチモンドホテル高知(234室)、ドーミーイン高知(207室)、コンフォートホテル高知(167室)、スーパーホテル高知(120室)など複数チェーンが分散する形で埋まっており、東横インが空白のまま残ってきた。四国南岸で唯一の県庁所在地クラスとして、東京・大阪発の出張需要が確実に存在するにもかかわらず、供給が薄かった。

立地と動線 — 大橋通駅前、はりまや橋圏

所在地は高知県高知市本町2-1-13。とさでん交通伊野線「大橋通」停留場から徒歩1分、はりまや橋停留場からも近く、高知市中心部の商業軸である帯屋町商店街、ひろめ市場、日曜市の会場となる追手筋、いずれにも徒歩10分圏で到達する。

JR高知駅からは徒歩約20分、車で約5分。四国内の県間移動(松山・徳島・高松発着)や関西方面からの空路利用者にとっては、高知龍馬空港からリムジンバス+徒歩の動線が現実的で、はりまや橋バスセンターから徒歩4分の位置は前泊拠点として合理的だ。四国南岸の出張者にとって、県内2泊目・3泊目の連泊や、翌朝の県内地方部への移動起点として位置づけやすい配置となる。

客室構成と設備 — 単身出張比率を前提とした設計

209室の内訳は、シングル147室、デラックスシングル13室、プレミアムプラスルーム10室、ダブル11室、ツイン23室、ハリウッドツイン12室、ハートフルシングル2室、ハートフルツイン1室。シングル系が160室で全体の76%を占め、単身出張利用を明確なコア需要として設計した宿泊特化型の典型構成である。

朝食は6:30〜9:00、無料で提供される。特筆すべきは朝食会場が最上階(14階)に設置されている点で、高知城を望む眺望を得られる設計となっている。東横インは近年、朝食会場を建物上層に配置し景観価値を付与する事例を増やしており、これは高知でも踏襲された。チェックインは15:00、チェックアウトは10:00、Wi-Fiは全室無料、駐車場を併設する。

参考価格帯 — 東横イン標準を維持

公表されている通常料金は、シングル7,400円〜、デラックスシングル9,000円〜、プレミアムプラスルーム8,400円〜(税込・1泊1名)。公開販売価格の集計では、開業前予約段階の目安として2名1室で¥10,000〜¥12,000/泊のレンジで推移しており、既存の高知市中心部ビジネスホテル(コンフォート/スーパー/ウェルカム/ツーリストイン等)と同水準に収まる。高価格帯の三翠園やドーミーイン、リッチモンドとは価格軸で明確な棲み分けとなる。

宿泊予約は2025年11月6日から開始されている。予約開始日から東横INNクラブカードの会員優遇が適用され、繁忙期の確保優先度に差が生じる仕組みは他都市同様。開業直後の観光繁忙期(桜・GW)の初回稼働状況が、東横インブランドの高知市場受容度を測る初期指標となる。

集約傾向と競合構造 — 四国南岸の宿泊特化ブランド地図

四国4県の宿泊特化ブランド展開を客室数で並べると、東横インは徳島(2店)、松山(1店)、高松(3店)、そして高知(1店)で、四国全体で7店・約1,700室規模の面を張ることになる。1棟あたりの平均客室数(約240室)は全国平均より高く、四国では大規模フォーマットを維持している。運営者側の視点では、高知進出は物件取得コストと需要量のバランスが長らく合わなかったエリアで、48都道府県目という象徴的意味の他に、四国全体の空室補完網を1棟で成立させる位置づけがある。

高知市の宿泊供給を客室数ベースで俯瞰すると、市中心部で100室超の宿泊特化型は10棟前後。うち200室超はリッチモンド、ドーミーイン、東横INN、スーパーホテルと、2026年に3棟の新規供給が集中する年になる。東横INNは価格帯の下限、アパは中位、ANAクラウンプラザは上位と、価格帯で棲み分けが進む形になり、四国南岸の出張者にとっての選択肢は年内に大きく厚みを増す。

具体情報

  • ホテル名: 東横INN高知
  • 住所: 高知県高知市本町2-1-13
  • 運営会社: 株式会社東横イン
  • 開業日: 2026年2月7日(土)
  • 予約開始日: 2025年11月6日(木)
  • 階数: 地上14階建て
  • 客室数: 209室 (シングル系160・ダブル/ツイン/ハリウッドツイン46・ハートフル3)
  • 投資額: 約18億円
  • 最寄駅: とさでん交通「大橋通」停留場から徒歩1分、JR高知駅から徒歩約20分・車約5分
  • チェックイン/アウト: 15:00〜 / 〜10:00
  • 朝食: 無料、6:30〜9:00、最上階(14階)朝食会場
  • Wi-Fi: 全室無料
  • 駐車場: あり

向く出張・向かない出張

  • 向く:
    単身・シングル利用の県外出張、はりまや橋・ひろめ市場周辺での夜会食を挟む1〜2泊、翌日高知空港または JR高知駅発の早朝移動を伴う日程、県内他都市(南国・須崎・四万十)への日帰り拠点
  • 向かない:
    宴会・会議需要を伴うMICE案件(宴会施設なし)、高級接待を伴う出張(上位カテゴリはANAクラウンプラザ/ザ クラウンパレスが該当)、家族連れの観光滞在(客室サイズ・タイプが単身前提)

よくある質問

Q. 法人契約は可能ですか?

A. 東横インは法人会員(東横INNクラブカード法人契約)制度を全国共通で運用しており、高知店でも開業日から適用される見通し。継続利用の割引や領収書一括発行に対応する。詳細は公式サイトの法人向け案内、または開業後にホテル直接窓口で確認できる。

Q. JR高知駅からのアクセス手段は?

A. JR高知駅前の「高知駅前」停留場からとさでん交通の路面電車で「大橋通」まで約6分(徒歩含めて計10〜15分程度)、徒歩の場合は約20分。タクシーは約5分、料金目安は1,000円前後。土讃線特急からの乗り継ぎ動線として、路面電車の運行本数(日中10分間隔)は実務的に十分な水準。

Q. 高知龍馬空港からのアクセスは?

A. 高知龍馬空港からは空港連絡バスが「はりまや橋」停留所を経由しており、ホテル最寄りの「大橋通」まで下車後徒歩4分。所要時間は空港からはりまや橋まで約40分が目安となる。深夜到着便利用時は空港タクシーで直行が現実的で、所要約35分・料金約5,000円が目安となる。

Q. 周辺の飲食・買い物はどう埋まっていますか?

A. ホテル徒歩5分圏に、ひろめ市場(カツオのたたきや地酒)、帯屋町商店街(飲食・土産)、大丸高知店(百貨店)、高知城下(観光)が集約している。日曜市開催日(毎週日曜)は追手筋が歩行者天国化し、朝の散策動線に組み込みやすい。単身出張者が夕食を1〜2時間で完結させる用途に、街全体として適合している。

Q. 他の高知市中心部ホテルとの棲み分けは?

A. 価格帯下限は東横INN・スーパーホテル・ウェルカム(¥7,000〜¥13,000/2名)、中位はリッチモンド・JRクレメントイン・ドーミーイン(¥12,000〜¥40,000)、上位はザ クラウンパレス(2026年8月ANAクラウンプラザにリブランド)、三翠園(旅館)が担う。東横INN高知は下限価格帯の宿泊特化型として、単身ビジネス需要に振り切った設計。2026年3月開業のアパホテル〈高知〉(260室、旧高知パレスホテル)と価格・立地の双方で競合軸となる見込み。

本記事の参考情報

東横INN高知 公式ランディングページ — 開業日、客室タイプ、料金
株式会社東横イン ニュースリリース(2025年11月5日) — 予約開始と47都道府県制覇
高知市公式サイト — 市中心部の観光・交通情報

編集部から

東横INN高知の開業は、単にチェーンの47都道府県制覇という象徴的節目にとどまらない。四国南岸で長らく続いてきた「宿泊特化ブランド供給の空白」を1棟で埋め、既存のリッチモンド/ドーミーイン/コンフォート/スーパーホテル/JRクレメントインらと合わせて、高知市中心部の宿泊特化型は年内に10棟前後で構成されることになる。2026年3月のアパホテル〈高知〉(260室)、8月のANAクラウンプラザ高知(242室、リブランド)と続く新規供給の連鎖のなかで、東横INN高知は「価格帯下限を維持しつつシングル比率を高めた宿泊特化」というブランド固有の位置を占める。四国南岸の出張前泊供給がどう質と量で厚みを増すかは、開業後半年の稼働率と料金推移で見えてくるはずだ。